イギリスでバラの育成や販売を行う「デビッド・オースチン・ロージズ」が、大阪府泉南市幡代町の農業公園「花咲きファーム」に、バラ園を開設することになり、1月25日(火)、「花咲きファーム」内において移転式典が開催されました。
「デビッド・オースチン・ロージズ」では、世界でも有数のローズナーセリーを保有し、イングリッシュ・ローズの育種・販売を行っています。本社は、イギリスのシュロップシャー、オルブライトンで、アメリカや日本(大阪)にも事務所がありますが、バラ園の開設は、イギリス以外では日本が初めてとあって、大きな注目を集めています。
今回、計画が発表されたバラ園の広さは、ローズガーデン9,000平方メートル、ナーセリーをはじめとした各種施設が11,000平方メートルの予定。
ローズガーデンは、代表的なイギリス式庭園を再現し、将来的には約250種類以上のイングリッシュ・ローズとその他のオールドローズ250種類を鑑賞できる世界でも有数のバラ園を目指します。また、NHKの「趣味の園芸」と共同で主催するガーデン・デザイン・コンテストの優勝者には、ガーデンの一角を提供し、デビッド・オースチンと共にデザイン制作に携わることも予定しています。
ほかにも、鉢苗の育成や販売を行い、日本全国に鉢苗を出荷できるナーセリー。バラの育成を行いながら、バラの育て方・トラブルの対処方法など、バラを育てるための様々な情報を発信するプランツセンター。バラの香りに包まれて優雅なひとときを過ごせるカフェ。などなど……
バラを鑑賞してその美しさや香りを堪能するだけでなく、イングリッシュ・ローズを育てる喜びを実際に体験し、日常の中にバラを取り入れるライフスタイルまでも提案する、新しいバラのエンターテイメント施設となる予定です。
「デビッド・オースチン・ロージズ」のバラ園は、大阪府の泉南市という自然に恵まれた静かなロケーションで、完成した施設から順次オープンしていき、3年という時間をかけてグランドオープンを迎えます。
この壮大なプロジェクトのスタートを飾る式典には、「デビッド・オースチン・ロージズ」から代表取締役デビッド・JC・オースチン氏はじめ、テクニカル&ガーデンデザインマネージャー、アジア統括マネージャー、日本事務所ジェネラルマネージャーなど4名、泉南市からは、向井通彦泉南市長、や中谷副市長、土井都市整備部長らが出席。まず、デビッド・JC・オースチン氏と、向井市長のバラの植樹ではじまり、ガーデンやナーセリーの予定地のガイドツアー、撮影会、懇親会などが行われました。
「市民も楽しみにしているすばらしい施設。高速道路(阪和自動車道)からも空港(関西空港)からも近く、アクセスも簡単です。全国の方々に来ていただきたい。そして、この泉南市をバラが咲き誇る美しいバラの街にしていきたい。」と向井市長。
デビッド・JC・オースチン氏は、「『美しい場所であること』『静かな場所であること』『必要なことが全てできる広さがあること』という全てが揃っている理想的な場所である泉南市に、ガーデンを作ることを嬉しく思っている。」と述べ、「父(デビッド・CH・オースチン)も、デザインコンセプトに関わるなど、『デビッド・オースチン・ロージズ』として、総力を注いでいます。最初に庭を整備し、それから他の施設に取りかかり、バラの成長・成熟を待って、3年後に、100%満足のいく形でグランドオープンを迎えたいと考えています。」と、語っていました。
「英国にあるガーデンに匹敵するすばらしいローズガーデンを目指していますが、そっくり同じものではなく、気候的な環境や文化・伝統など、日本的な要素を取り入れて、日本のバラ園を作っていきたい。世界のあちこちで、バラの育成・販売を展開しています。日本でのバラ園開園は、これからの開発に必ず役立つはずです。いずれは、いろいろな気候にあったバラを作り、日本のみで販売するような新品種もでてくるかもしれません。」と、デビッド・JC・オースチン氏。
1年を通じて平均的に雨が降り、気温も安定しているイギリスに比べ、四季を通じての温度差が激しく、梅雨や台風のある日本でバラを育てるのは難しいと考える人も多いですが、「夏の暑さでバラは少しお休みをしています。ですから、秋になると一段と美しい花を咲かせます。季節を理解することで適したバラの育て方があります。みなさんがバラを育てることを難しいと考えずに、気軽にできるようなアドバイスやお手伝いをしたい。バラを育てるための教育機関としても機能させたいと思っています。」ということでした。
最後の「日本に来て思うことは、日本の人はみんな忙しいということ。バラを見て、その美しさや香りに触れて心が休まる時間を持ってほしい。それは人生にとってとても大切なことです。」というメッセージが印象的でした。
3年後のグランドオープンが今から楽しみです。